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人間という最大の謎に挑む―『心と脳』 - 昼メシ物語
「記憶」とは何なのかについて興味があり、認知科学の本を何冊か読んでいる。今回は、安西祐一郎『心と... 「記憶」とは何なのかについて興味があり、認知科学の本を何冊か読んでいる。今回は、安西祐一郎『心と脳―認知科学入門』を取り上げる。 心、脳、社会 「心」という現象がある。たとえば感情や思考、言葉、記憶、学習といったはたらきを「心」と呼ぶ。心は「脳」から生み出されていることは分かっている。 複数の心が集まると「社会」を作り出す。逆に社会は心にも影響を及ぼし、相互作用となって複雑に変化していく。 脳がどのように心を生み出し、社会を作り出していくのかという問題は、我々人間という存在における最大の謎の一つである。 この問題に人類は紀元前から取り組んできた。古くから哲学で扱われてきたその問題は、時代を経て、医学、社会科学、人文学、理工学などといった分野で研究されるようになった。 情報科学の登場と認知科学 このような心の探求は三千年近くにわたって世界各地に蓄積されてきた。しかし1930年代から40年代に
2022/09/14 リンク